プレイヤーと管理職は違います。
「プレイヤーとして優秀な人が優秀な管理職になるとは限らない」とか「優秀な選手が優秀な監督になるとは限らない」といったりしますが、これは本当に真理です。
そして、プレイヤーとして優秀な人がよくいう言葉があります。
「自分でやったほうが早い」です。
「自分でやったほうが早い」と言ってしまう管理職が意外にも多いですね。
「自分でやったほうが早い」っていう管理職は失格である理由
僕は「自分でやったほうが早い」という管理職は管理職失格だと思っています。
なぜそう思うのか理由を解説します。
部下に教える気がない
自分でやったほうが早いって、部下に頼むより自分でやったほうが早いという意味です。
自分のノウハウを教えよう・継承しようという気が感じられませんね。
実際に教える気がないんです。
教えることによる労力と自分がやることの労力を比較して、後者のほうが楽だと考えている。
しかし、これは長期的な視点が抜け落ちています。
部下に教えて、部下ができるようになれば、組織としての力が強くなるのに。
目先のスピードを優先して、組織力を上げることを優先しない。
この考えは繰り返されるので部下が成長しない組織であることが多いといえます。
部下に教えるのが下手
「自分でやったほうが早い」という管理職は、教えるかどうかの選択肢のときに自分でやることが多くなります。
必然的に教える機会が少ないので教え方も上手になっていかないんですね。
教えることも技術です。
相手が理解していないなと思えば、違う使え方をしたり、レジュメを作ってわかりやすく教えようと工夫するものです。
しかし、「自分でやったほうが早い」という人はそういう手間も省きます。
口頭だけで教えたり、1回だけ目の前でやってみせるだけだったりします。
それでできない部下を「物覚えが悪い」となじることもあるでしょう。
物事を覚えるのには反復練習が一番なのに、1回だけ教えて教えた気になっている教え方へたくそ上司、それが「自分でやったほうが早い」という考え方につながっています。
プライドばかり高い
自分でやったほうが早いという上司は自分のやり方に自信を持っています。
自分はスピードが速くて、要領がいいと思い込んでいます。
そんな自信やプライドが自分でやったほうが早いという言葉に含まれているんですね。
独自のやり方を確立していることも多いですしね。
しかし、プライドが高い上司や管理職は部下にとっては非常に面倒な存在です。
何か反発や考えの違う意見を言えば、頭ごなしに否定をしてくることも多いはずです。
あなたの周りで「自分でやったほうが早い」という人はプライドが高くて面倒な人、高圧な的な人、みんなそうではないでしょうか?
パワハラ気質
プライドの高さや自分は仕事ができると思っている人が多いので、できない部下には厳しく当たる人が多いといえます。
「俺はできるんだからできないお前が悪い」基本的にはこんな考えを持っていることが多いです。
そして、それは言葉や態度で出てくるんですね。
僕の部下に「自分でやったほうが早い」という課長が二人いますが、その二人とも同じ共通点を持っています。
また、ほかのセクションにいる管理職で「自分でやったほうが早い」という人も同じです。
パワハラ気質で部下から慕われてないですね。
キャパが小さい
自分でやったほうが早いと自分で仕事をしてしまうので、常にタスクはかなり多く抱えがちです。
しかし、自分のタスクはそれなりにこなせますが、上司からの新しい仕事などはこなせないことが多くなります。
自分にずっと仕事があって、周りにさばけないですからね。
そのくせ誰かが教えて引き継げる仕事は勝手に引き継ぎます。
教えることが面倒、へたくそなのに、ほかの人が育ててできるようになると勝手に引き継ぐって最低です。
それもこれも自分にやることで仕事を持ってしまっているからです。
仕事ができると思い込んでますが、意外とキャパの小さい人間であることをまわりにアピールしちゃってると気付いてほしいものです。
さいごに
自分でやったほうが早いといっている人は下記の共通点がありますね。
- 部下に教える気がない
- 部下に教えるのが下手
- プライドばかり高い
- パワハラ気質
- キャパが小さい
自分はできると思い込んでるんですが、その上司からは管理職として使えないなと思われています。
プレイヤーと管理職は違います。
管理職として優秀になりたければ、「自分でやったほうが早い」とはいわずに、自分のノウハウを継承するようにしていきましょう。